里山の自然にふれてみよう。岡山県自然保護センター

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タンチョウについて

タンチョウは世界的に大変希少な種で、自然界での生息数は、現在、日本では北海道に約1,650羽、中国とロシアにまたがるアムール川流域周辺に生息している数を合わせても世界中の総個体数は3,050羽ほどといわれています。このため、日本においては、国の特別天然記念物に指定されるとともに、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」により国内希少野生動植物に指定され、捕獲等が禁止されるなど法による個体や種に対する保護措置が講じられています。また、中国、ロシアなどでも保護動物とされています。
一方、日本の北海道のタンチョウには遺伝的な系統の少なさも問題となっています。また、このような個体群が一箇所の生息地に集中していることも、絶滅のリスクが高まる要因となっています。
岡山県自然保護センターのタンチョウ飼育施設では、30羽を超えるたくさんの数のタンチョウを飼育していますが、その保護・保全への取り組みは、「種の保存」という観点、また絶滅のリスクを回避するという意味からも大変意義のあるものだと考えています。

※生息数については、環境省のホームページより転用
 (https://www.env.go.jp/nature/kisho/hogozoushoku/tancho.html

タンチョウは江戸時代までは日本各地に見られ、岡山県にも渡来した記録が残っています。
しかし、明治以降は、銃による乱獲と開発に伴う湿原の減少で、またたく間に減少し、一時は絶滅したと思われていました。
1924年(大正13年)に北海道で十数羽が再発見され、1935年に天然記念物、1952年に特別天然記念物に指定され、その後トウモロコシによる冬の給餌に成功したことで増加に転じ、今では北海道釧路地方を中心に千羽を超える数まで増えています。
近年、急速な産業発展や経済成長、気候変動などの影響などから、身近な自然環境が損なわれ、身の回りの多くの生き物たちが減少し、人が手をさしのべてやらなければ絶滅してしまう種も少なくありません。
岡山県自然保護センターでは、タンチョウの飼育を通じて自然とのつきあい方を学び、さまざまな生き物たちとの共存の大切さを考え、自然保護に関する認識を深めていきたいと考えています。


「春のタンチョウ」
この時期は、求愛のダンス(鶴の舞)や抱卵している姿が見られます。
タンチョウは一度ペアになると相手を変えることなく長く生活を共にします。


「夏のタンチョウ」
夏には、みどり豊かな自然の中にいるタンチョウを見ることができます。
もしかしたら、カメと一緒にいる姿を見ることができるかもしれません。


「秋のタンチョウ」
秋には赤や黄色など色彩豊かな中で、タンチョウを見ることができます。
紅葉の中にいるタンチョウの姿は、何とも言えぬ美しさがあります。


「冬のタンチョウ」
冬には、一面真っ白に積雪した白銀の風景も見ることができます。
上池は澄み渡り、その中に佇むタンチョウの姿はとても美しいです。

  • センターのタンチョウ飼育数:36羽(オス17羽、メス19羽)
  • ※令和5年12月1日現在の状況です。
  • ※岡山県にはこれ以外に、後楽園に8羽、きびじつるの里に10羽、蒜山タンチョウの里に2羽がいます。
  • 近年誕生したタンチョウ
    • ◯ナイン  オス 平成26年6月6日生まれ
    • ◯ワケタン オス 平成29年6月6日生まれ
    • ◯キラリ  メス 令和3年6月1日生まれ

タンチョウ飼育施設の概要はこちらへ

タンチョウ飼育施設での様子
タンチョウ飼育施設での様子
タンチョウ飼育施設での様子

タンチョウ飼育施設での様子

タンチョウは、4月~6月の間ごろに2個の卵を産みます。
タンチョウの卵は鶏の卵よりも大きく、長径約10センチ、重さは約250gです。
卵はオスメスが交代で温め約1ヶ月でひなが誕生します。
生まれたばかりの雛は体長約13センチ、体重約130g。 雛の成長はとても速く、毎日2センチくらいづつ成長し、3ヶ月もすると体長約1.4m、体重約10kgと、親と変わらないくらいの大きさに成長します。
タンチョウのご飯として、センターでは、アジやとうもろこし、ドジョウをあげています。時間によっては、食事をしているタンチョウの姿を見ることも出来ます。

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