里山の自然にふれてみよう。岡山県自然保護センター

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タンチョウについて

タンチョウは世界的に大変希少な種で、自然界での生息数は、現在、日本では北海道に約1,000羽、中国とロシアにまたがるアムール川流域周辺に生息している数を合わせても世界中で2,500~3,000羽ほどといわれています。このため、日本においては、国の特別天然記念物に指定されるとともに、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」により国内希少野生動植物に指定され、捕獲等が禁止されるなど法による個体や種に対する保護措置が講じられています。また、中国、ロシアなどでも保護動物とされています。
一方、日本の北海道のタンチョウには遺伝的な系統の少なさも問題となっています。また、このような個体群が一箇所の生息地に集中していることも、絶滅のリスクが高まる要因となっています。
岡山県自然保護センターのタンチョウ飼育施設は、日本一の飼育数を誇っていますが、その保護・増殖への取り組みは、「種の保存」という観点、また絶滅リスクの危険分散の意味から、大変意義のあるものだと考えています。

タンチョウは江戸時代までは日本各地に見られ、岡山県にも渡来した記録が残っています。
しかし、明治以降は、銃による乱獲と開発に伴う湿原の減少で、またたく間に減少し、一時は絶滅したと思われていました。
1924年(大正13年)に北海道で十数羽が再発見され、1935年に天然記念物、1952年に特別天然記念物に指定され、その後トウモロコシによる冬の給餌に成功したことで増加に転じ、今では北海道釧路地方を中心に1,000羽まで増えました。
近年、身近な自然環境が損なわれ、身のまわりの生き物たちが減少し、人の手をさしのべてやらなければ滅んでしまう種も少なくありません。
岡山県自然保護センターでは、タンチョウの飼育を通じて自然とのつきあい方を学び、さまざまな生き物たちとの共存の大切さを考えていきたいと考えています。


「春のタンチョウ」
この時期は、求愛のダンス(鶴の舞)や抱卵している姿が見れます。
タンチョウは一度つがいになると、一方が死ぬまで添い遂げます。


「夏のタンチョウ」
夏には緑が生い茂り、自然豊かな中でタンチョウを見ることができます。
もしかしたら、カメと一緒にいる姿も見れるかもしれません。


「秋のタンチョウ」
秋には赤や黄色など色彩豊かな中で、タンチョウを見ることができます。
紅葉の中にいるタンチョウの姿はえも言えぬ美しさがあります。


「冬のタンチョウ」
冬場のセンターは、積雪した風景も見ることができます。
上池は澄み渡り、その中に佇むタンチョウの姿はとても美しいです。



  • センターのタンチョウ飼育数:41羽(♂:21羽、♀:20羽)
  • ※ 2015.12.4.現在の状況です。
  • ※ 岡山県にはこれ以外に、後楽園に8羽、きびじつるの里に10羽、蒜山タンチョウの里に4羽がいます。
  • ※ 2011/12/15、クララ♀が東京都立大島公園動物園へ譲渡されています。
  • ※ 2013/03/14、ハシ♀が熊本市立動物園へ譲渡されています。
  • ※ 2013/03/15、タカ♂、マミ♀が真庭市へ譲渡されています。
  • ※ 2014/03/20、タケ♀が井の頭自然文化園へ譲渡されています。 

タンチョウ飼育施設の概要はこちらへ

タンチョウ飼育施設での様子






コスチューム飼育により運動中の幼鳥

岡山県自然保護センターでは、全国に先駆けて人工ふ化において、コスチューム飼育を行っています。また、人工孵化技術は、国内外で高く評価され、海外にも研究員を派遣し、指導を行っています。


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