里山の自然にふれてみよう。岡山県自然保護センター

メニュー
ログイン

文字の大きさ

外来食虫植物

概要

経過

岡山県内には県南部の湿原で、2001年頃から、外来の食虫植物が生育することが相次いで報告されるようになりました。

現状

2004年に緊急の調査を行った結果、県内には6ヶ所の湿原で、8種類の外来食虫植物が生育していることが明らかになりました。2005年には集まった情報を元にさらに調査を進めた結果、さらに5種類の外来食虫植物を発見しました。特に、備前市内の湿原では思いもよらぬ種類が生育していました。 現在、県内には13種類の外来食虫植物が生育しているのが確認されています。

除去

  • 2005年7月14日に、岡山市の藤ヶ鳴湿原で除去作業を行いました。
  • 2006年8月24日に、岡山市の藤ヶ鳴湿原、倉敷市の美しい森内の湿原で除去作業を行いました。
  • 2007年11月25日に、備前市内の湿原で除去作業を行いました。

文献

  • 片岡博行・西本 孝(2004) 岡山県における外来食虫植物の侵入状況 岡山県自然保護センター研究報告(12):31-37
  • 片岡博行・西本 孝(2005) 岡山県における外来食虫植物の侵入状況-その2 岡山県自然保護センター研究報告(13):21-28

考えられる影響

  • 同じ場所に生育した場合、生育地や資源(虫)を奪い、在来種と競合する恐れがあります。
  • 雑種をつくる可能性があります。
  • 栄養繁殖がさかんであるため、繁殖地を拡大することにより、在来種の生育地を奪ってしまいます。
  • 昆虫を含めた湿原の生態系を攪乱する恐れがあります。

外来食虫植物が発見された主な湿原

  • 藤ヶ鳴湿原(岡山市)
  • 倉敷美しい森内の湿原(倉敷市)
  • 久々井湿原(備前市)

備前市内の湿原で発見された外来食虫植物と除去作業

備前市内の久々井湿原と明地湿原で外来食虫植物が生育していました。現場の状況から、いずれも外部から持ち込まれた可能性が高いと考えられます。

持ち込まれた外来種と競合する在来種
外来種 在来種
ナガエモウセンゴケ モウセンゴケ
トウカイコモウセンゴケ
イトバモウセンゴケ
サスマタモウセンゴケ
アメリカコモウセンゴケ
ムシトリコザクラ
ハエジゴク
ムラサキヘイシソウ
アカバナヘイシソウ
キバナヘイシソウ

2005年の藤ヶ鳴湿原の外来食虫植物の除去に関する報道を見た方から、岡山県自然保護センターに連絡が入りました。

案内された備前市内の湿原に生育していた外来食虫植物の種類と特徴を紹介します。


  • ハエジゴク (モウセンゴケ科) 北アメリカ原産

  • ムラサキヘイシソウ (サラセニア科) 北アメリカ原産
  • 左:キバナヘイシソウ (サラセニア科) 北アメリカ原産 右:アカバナヘイシソウ (サラセニア科) 北アメリカ原産
  • サスマタモウセンゴケ (モウセンゴケ科)  オーストラリア・ニュージーランド原産

2007年11月25日:久々井湿原(備前市内)での外来食虫植物の除去作業

除去作業風景

備前市内の2か所の湿原で、除去作業を行いました。他の外来種が生育していた湿原と同様に、人により持ち込まれたものと考えられます。今後、繁殖する可能性が高いため、在来の湿原生態系を攪乱してしまう恐れが出てきました。地元の皆さんと岡山県自然保護センターのボランティアの協力により、湿原に生えて生育地を拡大しつつあった外来食虫植物を除去しました。


  • ナガエモウセンゴケは大きな株に なっていました。ていねいに引き抜いて袋に詰めました。

  • 袋に詰めて、およそ10個の袋にそれぞれ半分ずつの量が除去できました。

2007年11月25日:備前市内の湿原での外来食虫植物の除去作業


  • 久々井湿原から南側にある湿原でも除去作業を行いました。地元の皆さんや岡山県自然保護センターのボランティアが引き続いて、除去作業を行いました。
  • 県の担当者がハエジゴクをもって地元の方に説明しているところ。
  • ヘイシソウの仲間が大きな塊を作っていました。

  • スコップを使って掘り起こしました。

  • 一株ずつ、袋に詰め込んでいきました。
  • ヘイシソウの仲間の一部を裂いてみると、中からハエが出てきました。中にはたくさんのハエが詰まっていました。
  • 1株ずつていねいに、除去作業を行いました。
  • 作業が終わった後は、長靴に付いていた泥をていねいに取り除き、種子を別の場所に移動させないように配慮しました。
  • 除去した植物は大きな袋5つもありました。焼却処分にしてもらいました。
このページの先頭へ