新種発見!ニセマイコガ!
2025.06.22

2024年に新種のガ(蛾)を発表された公益財団法人岡山県環境保全事業団の寺田剛さんをお呼びして、新種発見へ至る道のりについて講義をしてもらいました。
寺田さんはニセマイコガ科という1cmにも満たない小さな蛾の研究者で、2021年に岡山県内の身近な里山で「未記載種」のガを見つけて2024年に国外の他の研究者とともに「新種」として発表するまでの長い道のりと、その方法を教えてくれました。
新種記載のためには、同定もされていない状態「未同定種」から、国内外の文献・論文を探してその個体が今まで発見されていないことを確かめた状態「未記載種」を経て、何がどう違うのかを英語やフランス語等の論文で発表して初めて「新種」となるということを、実際の体験を交えて紹介されました。
今回発見した新種である「シロオビシダマイコガ」は、寺田さんが探していたシダを植物担当のセンター職員が見つけて、寺田さんがそのシダにつく幼虫を発見、そこで「これは新種になる!」と確信したそうです。講義の中では、新種のガの標本や、展翅中のガを実際に見てもらったりしました。
新種を見つけたい!という人には「マイナーで小さい生きものの仲間」を対象にして、採集の時には「環境をよく知る他の専門家に聞き」、よくわからない生きものが採れた時には「専門家に同定をお願いする」のが良いとアドバイスももらえました。
ぜひ皆さんも身近な自然に潜む未知の世界を探してみてください!